約 431,342 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/21.html
489 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/30(土) 00 56 57 ID zWguIo2s0 [1/3] 京介「体温計ぐらい自分で挟めるって……」 桐乃「はぁ? アンタ、本気で言ってんの?」 京介「お、おい! やめろって!」 桐乃「アンタの腋、汗でぐしょぐしょじゃん? そのまま体温計挟もうとしたワケ? バカじゃん? そんなんで体温でるわけないじゃん。アンタがバカなのは知ってたけどサ」 京介「ぐ…で、でもよ! いきなり男の服を剥ぐなっての!」 桐乃「な、何意識してんのよ! キモ! 超キモ!」 京介「意識とかするわけねーだろ! 俺は常識説いてんだっての!!」 桐乃「ど、どーかしらね。アンタ、シスコンだし? 妹に服脱がせられて興奮する変態かも知れないじゃない?」 京介「するか! お前の中の俺はどんな性癖持ってんだよ!?」 桐乃「まぁ、体温測ればアンタが興奮してるかどうか、一発で分かるけどネ」 京介「おー、やってみろよ! ……って、風邪ひいてるんだから体温高いに決まってるだろ!!」 桐乃「……チッ」 京介「くっそ…頭痛が酷くなってる気がするぜ……」 桐乃「……私、水枕持ってくるから。兄貴、これ体温計、ちゃんと測ってよ」 京介「最初から1人で出来るって言ってんだろ……って、パジャマ返せよ」 桐乃「は? 何、こんな濡れたパジャマ着て風邪ひきたいの? あ、もうひいてるんだっけ?」 京介「ああそーだよ、風邪引いてるから、そんな事にも気づきませんでした!」 桐乃「随分素直じゃん。いつもそんな感じでいれば?」 京介「うっせ。お前が言うな」 桐乃「感謝しなさいよ。私が替えのパジャマ持ってきてあげるからサ」 京介「へいへい感謝してます、俺の賢くて優しい妹様」 桐乃「ふ、ふん…」 ガチャ 桐乃「ど、どーしよ! 兄貴が私のこと、賢いって、優しいって……はぁぁぁぁ…… ……スンスン……兄貴のパジャマ、兄貴の汗の臭いするよぉ、ちょー興奮するんですけどぉ! 頭クラクラしてきたぁ……んん? 何するんだっけ? そうだ、枕……枕? 兄貴、私に膝枕して欲しいの? なにそれ、超萌える!! そ、そ、それってア、アレじゃん? こ、恋人同士みたいじゃん? やばいよ! やばい! 妹に恋人の代わりさせるとか、兄貴どんだけシスコンなの!? で、でも、しょーがないよね? そうだよね? シスコンの兄貴持った妹としては、するしかないじゃん? 膝枕。 な、なんか暑くなってきたし? 私も着替えようかな。スカートにしようかな。涼しいし。 い、妹の生足膝枕でシスコン変態兄貴の理性とか吹っ飛んじゃう諸刃の剣、素人にはお勧めできない。 で、でも暑いんだからしょうがないよね? わ、私も直に兄貴を膝枕するぐらいならガマンできないこともないし? ちょっと太股に頭乗せるだけじゃん? 兄妹なら稀によくあることじゃん? ……ね、寝返りうったら駄目だって、兄貴! そ、そんなとこに顔押しつけるとかキモ! マジキモ! 脳味噌フットーしちゃってんじゃないの? 熱出し過ぎ! し、仕方ないから、可哀想で残念なアンタを看病するの、妹の私ぐらいだけなんだから、ず、ずっと看病してやるわよ!」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1053.html
794 名前:【SS】双子の卵[sage] 投稿日:2011/08/25(木) 15 40 52.98 ID SCr4BCkB0 [9/13] 今日のお昼はお袋もいないし、チキンラーメンだ。 楽しみだぜ。 ・・・・・・俺はあのモソモソ麺が楽しみなのであって、 桐乃が食べれる料理を俺に振舞ってくれるのが楽しみなわけじゃないからな。 最近桐乃はパニーニの日だとか、チキンラーメンの日だとか言って簡単な料理に手を出してるけど、 加奈子辺りに料理下手なことをからかわれたりしたんかね? 「あ」 台所から桐乃の声が聞こえた。 なんだ?包丁で指でも切ったか?でもそれにしては声に緊迫感がなかったな。 まあ大方隠し味に七味唐辛子でも入れようとして瓶の中身を全部ぶちまけたんだろうさ。 俺が台所を覗くと、桐乃が割れた卵を持って器を覗き込んでいた。 なるほど。卵のカラを盛大にぶちまけたか、あるいは卵の黄身をぐちゃぐちゃに潰してしまったか。 「あ、ほら、これ見て」 俺が来たことに気がつくと、桐乃は麺と卵が入った器を俺に差し出した。 「お、綺麗に割れてるな。 ・・・・・・これって初めから二つ入ってたのか?」 麺の上に乗っている黄身は二つ。 どうやら双子だったらしい。 「うん。あたし初めて見た」 桐乃が嬉しそうに言う。 初めてか。まあそうだろうな。おまえはほとんど台所にたたねえし、お袋はあんまり目玉焼きを作らないしな。 「・・・・・・ねえ、この卵温めたら双子のひよこが孵ったのかな?」 寸前まで嬉しそうだった表情を一転して曇らせ桐乃が聞いてきた。 「どうだろうな」 この卵は確かお袋が今朝近所の人から貰ってきたばかりの産み立て卵だ。 ニワトリを飼ってる人がいるからその人に貰ったんだろうが、有精卵か夢精卵かはわからない。 「双子のひよこが見たかったのか?」 「そうじゃないんだけど・・・・・・ どんなキョウダイになったのかなって」 兄弟か姉妹か兄妹か姉弟か。それはわからんが、同じ卵から生まれたら仲が良さそうだな。 でも一つ問題があってな、 「ニワトリの双子はほとんど生まれないぞ」 「そうなの?」 「ああ。卵だと哺乳類と違って適宜栄養を補給しないで、卵の中の栄養だけで孵化しないといけないだろ? そうなるとどうしても二羽育てるための栄養が足りなくなるんだよ。 運よく孵っても栄養が足りてないから、すごい死にやすいらしいぜ」 「そういえばそうだね。 まあこんなちっちゃな卵の中に二羽入るのも窮屈そうだし、仕方ないか」 元々生まれる筈のない命と知って安心したのか、ようやく桐乃から陰りが消える。 「双子の卵、か・・・・・・ なあ桐乃、この黄身二人で分けるか?」 なんとなく思いついたので聞いてみた。 「・・・・・・うん。そうしよ」 桐乃は頷くと、四苦八苦しながら黄身をもう一つの器に移した。 綺麗な円だった黄身の形が崩れちまったが、仕方ないだろう。 桐乃は沸騰したお湯を黄身の上にかけると、すぐに器にフタをした。 これで3分後にはあのモソモソ麺が食べれるわけだ。 おかずのジューシーから揚げナンバーワンを暖めたり、麦茶を冷蔵庫から取り出したりしていると3分経った。 俺と桐乃はテーブルにつくと、器のふたを外した。 「あ、ハート型だ」 分ける時に黄身が崩れたからだろうか、程よく半熟に固まった黄身は、不恰好なハート型をしていた。 偶然にも、俺と桐乃の黄身は鏡写しの形にハートを形作っている。 「生まれなくても仲が良かったんだね」 桐乃が微笑みながらそう言った。 「・・・・・・そうだな」 俺たちはネギやチャーシューを乗せると、手を合わせた。 「「ただきます!」」 ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/936.html
659 名前:きりりんのお腹【SS】[sage] 投稿日:2011/07/14(木) 23 42 03.86 ID /fbBDAkZO 最近は夢にまでエロゲーが出てくるようになっちまった。もう駄目かもわからんね…… ??「お兄ちゃん、質問していい?」 京介「おう、何でも聞いていいぞ」 ??「お兄ちゃんの手の平ってどうしてこんなに大きいの?」 京介「それは、可愛いお前をこうしてなでなでしてやるためさ」 ??「それじゃあね…お兄ちゃんのリヴァイアサンはどうしてそんなに大きいの?」 京介「それは可愛いお前を(ry」 ??「ああん、お兄ちゃんたらぁ…」 …ギシギシアンアン… ??「お兄ちゃん、あたし、もうお嫁さんに行けない身体になっちゃったよぉ」 京介「心配するな、俺が貰ってやる。だから、俺の嫁になってくれ!」 桐乃「ホントに? 嬉しい…京介とあたしの愛の証だね」 京介「え、桐乃………って………うわあ!!」 俺は思わず飛び起きた。目の前にはいつもの俺の室内が広がる。夢にしても凄まじいネタだったな… 「あんた、うっさいよ。何しょーもない夢見てんの?」 ドアを開けて桐乃が入ってきた。 「なんだ桐乃か? てかそのしょーもない夢の原因はお前のその腹にあんだろ、その腹に」 あれ? どうして…どうして桐乃のお腹はそんなに大きいの? 俺はもう起きてるはずなのに、どう見ても桐乃の腹部は、臨月の妊婦さん並みに膨らんでいた。 「あたし、あたしね、妊娠しちゃったんだ………」 「妊娠……って、うわあああ!!!」 俺は再び、というか前より更に大きな声で絶叫した。 「あ、アンタ、実はね」 「すまん、すまん桐乃本当にすまない、この責任は俺が必ず……」 「……あんたたち、何やってんの???」 さらなる絶叫に、お袋まで部屋にやってきた。 「全く、ちょっと考えれば昨日まで普通のお腹の桐乃がいきなり臨月な訳ないでしょうに」 「いや、そりゃそうだけどさあ」 「それにしても、桐乃の身につけてるスーツ、よくできてるわね」 ここでネタばらしすると、桐乃は実は『妊婦体験スペシャルスーツ』なるものを身につけている。 何でも最近は若いうちからの子育ての学習を進めるってことで、 これは疑似的に妊婦さんの体験をするための、れっきとした学習教材とのことだ。 今回、こうした変わった学習教材を紹介するネタをやる雑誌があるとかで、それに出る桐乃が頼み込んで一晩借りてきたのだという。 「どう、桐乃?妊婦さんになった気持ちは?」 「お母さんはこんな思いを2度もしたんだよね。大変だったでしょ」 「まあね、それでも愛する我が子がここにいるんだって思うと頑張れたわ。 まあ、こういう体験することで、皆が街中の妊婦さんをいたわれる世の中になればいいわね」 桐乃がお袋と話しをしてるのを好いことに、俺はこの場を去ろうとしたんだが…… 「ところで京介。桐乃のお腹に驚いたのはともかくとして、桐乃に土下座して謝罪してたのはなんでかしら??」 「いや、それはその…」 「あんた、こんどこそ妹に手を出したのね!!!」 「ちげえよ、あくまで夢の中での出来事だ!!」 「お母さん落ち着いてよ、あたしが兄貴に、まだそんなこと許す訳ないじゃん」 「それならいいんだけど。、それじゃカレーを作りに戻るわね」 まだ怪訝そうな顔を残しながらも、とりあえずお袋は去っていった。 「全く、馬鹿兄貴のせいでお母さん変な目であたしたちを見てたじゃないの」 「こればかりは正直、面目ねえと思ってるよ」 「ま、まあこうして子育ての勉強もできるんだし、き、京介も勉強したいなら …あたしが…子づくりの勉強の相手してもいい…かも……」 今回の小道具紹介 http //humanbody.jp/simulator/item/ky32518-000.html -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1196.html
328 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/10/10(月) 00 05 15.17 ID cYy5vdAA0 [1/14] タイトル:体育祭 「あんたにさ・・・お願いがあるんだけど」 リビングでテレビを見ていた俺に桐乃が突然そんなことを言ってくる。 また面倒なことじゃないといいけどな。 「お願いってなんだよ・・・」 桐乃は少し言いにくそうな感じで 「あのさ・・・付き合ってほしいの」 と言った。 俺は一瞬聞き違いかと思い桐乃に聞き直してみる。 「付き合うって、俺とおまえがか?」 「そうだけど」 桐乃は平然とそんなことを言う。 やはり俺の聞き違いではないらしい・・・・ 「いや、一応『兄妹』なんだし、いきなりそれは・・・」 「『兄妹』だからって関係ないじゃない」 「だから俺にも覚悟ってものが・・・」 痺れを切らした桐乃は、少し怒ったような顔をして 「あたしとだとそんなにいやなわけ?」 と言う。 俺はどもりながらも 「いやじゃないが、いきなりおまえの彼氏になるだなんて・・・」 と言った。 桐乃の顔がみるみる赤くなり最後には耳まで真っ赤になる。 「マジキモい、どうしてそんな話になるんよ」 「おまえ、今『付き合ってほしいの』って言ったじゃないか」 俺がそう言うと桐乃は考え込んでしまう。 そして自分の言葉を思い出したのか、酸素不足の金魚のように口をぱくぱくとさせている。 「おい、だいじょうぶか・・・」 「だ、だいじょうぶ」 そう言いながらソファーにへたり込んでしまう。 俺は桐乃が落ち着くまで待った。 「落ち着いたか」 「うん・・・・・」 「それじゃもう一度聞く、お願いって何だよ」 「今度の体育祭で、家族と出る種目があって・・・それに付き合ってほしいの」 「おまえ、要点端折りすぎだろ」 「うっさいな、勘違いするあんたがいけないんじゃない・・・」 「はいはい、俺がわるかったよ。どうせ俺はシスコンだからな」 「・・・キモい」 「てか、どうして俺なんだよ。親父やお袋じゃダメなのかよ」 「あたしは、あんたにお願いしてるの」 と真剣な目で俺を見つめる。 桐乃にこんな目でお願いされると、俺は『断る』という選択肢を選べなくなってしまう。 しかし、すぐに返事をするのも癪なので少し考える振りをする。 桐乃はそんな俺の顔を上目遣いで覗き込みながら「ね、お願い」と言ってくる。ここまで されて断ると俺が俺でなくなるような気がする。 「わかった、それでその種目ってなんだよ」 「二人三脚」 体育祭当日、俺と桐乃は二人三脚参加者の待機場所で待ち合わせる。 「桐乃、ここで結べばいいか」 「そのへんで大丈夫」 俺は足を縛る位置を確認する。 「よし準備できたぞ。合図とかはどうする」 「それじゃ、『1』で結んでいる方の足を出して」 「よしわかった」 あとはスタートを待つだけだ。俺は桐乃の肩に手を置いた。すると桐乃の肩がピクンと跳 ねる。 「ん、どうした」 「あっ、いや、なんでもない・・・・・」 「そうか」 桐乃はそう言いながら俯いてしまった。 すると後ろから 「お兄さん、桐乃にいかがわしいことしたらブチ殺しますよ」 聞き慣れた声で、物騒な台詞が聞こえる。振り向くと予想通り、あやせが立っていた。 「物騒なこと言うなよ。俺がそんなことするわけないだろ」 「じゃあ何で、桐乃の肩に手を回してるんですか」 「二人三脚なんだから、これが普通だろ」 「嘘です、きっとそのまま桐乃を押し倒して・・・」 「真昼間の、それも人が見てる前でそんなことできるか」 「夜の暗がりで、誰も見ていないければするんですね、変態」 「おまえはどうしても俺を犯罪者にしたいらしいな」 「大丈夫だって、京介は加奈子に惚れてんだからさ」 「「えええっ!」」 あやせと手錠・・・いや、タオルで足を結ばれている加奈子が突然そんな爆弾発言をする。 それに、今まで俯いていた桐乃とあやせが反応する。 「「ちょっと待って、加奈子それどう言うこと?」」 二人はまったく同じ台詞で加奈子に詰め寄る。 おまえらほんとに仲いいよな。 「だってこいつ、あたしのファン第一号なんだぜ」 「そりゃ、おまえがアイドルの素質あるから、アイドルになったらファン一号になってや るってことだよ」 俺の言葉を聞いて、なぜか桐乃とあやせがホッとしているようだ。 なんだよ二人して・・・・・ 「ほんとかー?加奈子の虜になってるんじゃないのか」 「それはない、もっとナイスバディーになってからにしてくれ」 俺は加奈子の台詞に淡白なツッコミで返す。 「ケッ、見てろよ。今に吠え面かかせてやる」 加奈子は不貞腐れてしまう。そしてまたもや、なぜか桐乃とあやせは俺の顔を真剣なまな ざしで見つめている。 俺なんでこいつらにこんな仕打ち受けないといけないの? 場の雰囲気に耐え切れなくなった俺は、話題を変えようとする。 「そういや、あやせはなんで加奈子と組んでんだよ」 「うちは、両親が忙しいので・・・・・」 「そうか・・・すまない」 話がしんみりした方向に流れてしまう。 「そんじゃ加奈子は?」 「うちもさ、姉貴が仕事で忙しくてさ・・・」 「そうか・・・・・」 俺、地雷ばっか踏んでるな・・・ 俺はどう話を続けていいかわからなくなり黙ってしまう。 すると場の雰囲気を読んだあやせが 「お兄さん、別にこの種目は友達と一緒でもいいので、わたしが加奈子を誘ってみたんで すよ」 と話を繋いでくれた。 「なるほど、でもあやせなら桐乃を真っ先に誘うかと思ったけどな」 「もちろん最初は、桐乃を誘いました・・・でも・・・・・」 突然、あやせの瞳から虹彩が消える。 待てこの展開はなんだ?また踏んだのか俺は・・・・・ 俺は恐る恐る聞いてみる。 「・・・でも、なんだ?」 「でも桐乃を誘ったら、『兄貴のやつったらさ、どうしてもあたしと二人三脚に出たいっ て泣いて土下座するから、オッケーしちゃった。ごめんね』って言われたんです」 元凶はおまえか! 俺は桐乃のほうを振り向くと、桐乃は慌てて俺から視線を逸らす。 あやせはあやせで、俺の返答を待っている。ここで混ぜっかいしてもしょうがないので 「すまなかったな、せっかく『兄妹』で出られる種目があったんで、俺がお願いしちまっ てさ」 「そうですか・・・それならしょうがないです」 あやせは、俺の返答に不服そうではあったが、その場は何とか納めてくれた。 『まもなく、二人三脚のスタートです。出場者はスタート位置にお集まりください』 そんなアナウンスが流れた。 俺たちはスタート位置に移動する。 「おい、さっきので貸し一つな」 「・・・うっさい、こんな可愛い妹と二人三脚できるんだから、貸し借りはナシ」 「おまえな・・・」 「それより、もし負けたら貸し一つだかんね」 「そうか・・・なら勝ったら俺のお願い聞いてもらおうか」 「お願いってなによ」 「さあな、何かいいこと考えておいてやるよ」 「なっ、この変態、あたしにいやらしいことしようってんじゃないでしょうね」 いつものようにぐだぐだ言い合っていると 『バァン!』 とスタートのピストルが鳴り響く。それを聞いた俺たちは我に返る。 ドドドドッと周囲の選手たちが走り出していく。俺たちは完全に出遅れた。 「あーー、あんたが変なこと言うから出遅れちゃったじゃないの」 「俺のせいにするなよ、というか俺たちも行くぞ」 「わかった、1,2・・・・・・・」 桐乃の掛け声とともに俺たちもスタートする。 「おい、もっとスピード出していいぞ」 「あんたは大丈夫なの?」 「ああ、大丈夫だ」 「わかった、それじゃ行くよ」 桐乃がギヤをチェンジする。俺も桐乃のスピードに合わせて足を動かす。 みるみるうちに他の選手との差が縮まり、そして追い抜いていく。 抜かれた選手たちは、何に抜かれたのか理解できないような顔をしている。 「結構調子いいじゃないか」 「ふん、これがあたしの実力よ。じ・つ・りょ・く」 と桐乃は自慢げに言う。 「俺たちの相性がいいからじゃないか?」 「マジキモい、このシスコン」 桐乃は顔を真っ赤にして、プイとすねたように横を向いてしまう。 その反応が何とも可愛く見えて、俺はこみ上げてくる笑いを必死に堪える。 「調子に乗るのもいいけど、転ぶなよ」 「うっさいな、あんたこそ転ぶんじゃないわよ」 「はいはい、まあ転んだら俺が抱きとめてやるよ」 「こ、このシスコン、だ、抱きしめるって何考えてんのよ」 「別に転びそうになったときくらい問題ないだろ」 「問題ないって・・・・こっちのもその・・・・・準備が・・・・」 「何の準備だよ」 「う、うっさい、こっちのこと」 俺も調子に乗ってきてしまったのか、走りながらぐだぐだと文句を言い合う。 ・・・・しかしそれがいけなかった。 最後のストレートに入ったところで俺と桐乃はバランスを崩してしまう。 何とか転ばないように反応したが、その結果俺が桐乃を抱きしめるような姿勢になってし まう。 俺の耳元では桐乃の息づかいが聞こえ、髪からはシャンプーだろうか甘い香りがする。そ してシャツ越しに感じる桐乃の温かさがなんとも心地よい。 抱きしめられている桐乃も、耳まで真っ赤にしながら俺の背中に腕を回してくる。 俺たちは互いにその体勢のまま動けなくなってしまう。 「この変態、死ねえええええぇぇぇぇぇ」 振り返ると俺たちの後ろから土煙とともに、あやせが迫ってくる。 おまえ、加奈子どうしたんだよ! よく見ると、あやせの後ろにはボロ雑巾と化した加奈子が引きずられている。 恐怖を感じた俺は、桐乃を立ち上がらせようとする。 「桐乃、大丈夫か」 「ダメかも・・・」 「ダメって、どっか怪我したのか?」 「いや、ダメじゃない、だいじょうぶ・・・・・・」 どっちだよ・・・ 桐乃はまったく立ち上がろうとしない。それどころか俺の背中から腕を離そうとしない。 「おい桐乃、よくわからんが正気にもどれ」 「・・・・・もう少し」 そうしている間にも鬼と化したあやせが迫ってくる。 最後の手段と覚悟を決めた俺は、桐乃を抱きかかえると一目散のゴール方向へ逃げるので あった。 Fin -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/513.html
215 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2011/04/03(日) 01 55 17.39 ID LIPE/uXf0 [3/4] ネタ提供【ニコニュース~人生で一度は「女性から言われたい」セリフ7パターン~】 ※一部抜粋 ・「ずっと……好きでした」 ・「もっと好きになっちゃった///」 ・「あ~ヤバイ。なんか好きになったかも……」 ・「好きになってもいいですか?」 ・「好きになっちゃったんだけど……。どうしたらいい?」 ・「あー、もう、しょうがないな……。ほら、好きにしていいよ」 ・「どこをジロジロみてるの? あ……も~う、エッチなんだからぁ~ (照)。少しだけなら見せてあげるよ? ……ほら」 ・「ずっとこうしてたいね」 ・「一緒にいるとなんか落ち着くな♪」 ・「大丈夫、あたしがいるじゃん。……ってダメかな(照)」 ・「もうっ、あたしの気持ちに気付かないなんて、なんて鈍感なの!」 ・「私たち付き合ってるんだよね?」 ・「なんで好きって言っちゃダメなの?」 SS職人よろしk! 218 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/03(日) 02 18 20.88 ID 8efXntgh0 [2/2] 215 私は職人ではないですが… 「あ、兄貴……あたしたち、付き合ってるんだよね?」 「そうだな。おまえが彼女で、ホントに俺は幸せだよ」 「うん……あたし、兄貴の事ずっと好きだったよ……」 「俺もだぜ……桐乃。」 「それじゃあ、兄貴のシャツ……好きになってもいいよね?」 「ちょっ!?何を!?待て、だ、ダメだっ!?」 「なんで好きって言っちゃダメなの?」 「そ、そりゃお前っ、い、いくらなんでも、シャツが好きは無いだろ?」 「もうっ、あたしの気持ちに気付かないなんて、なんて鈍感なの!」 「と、とにかくシャツはダメだっ!」 「好きになっちゃったのに……どうしたらいい?」 「そ、それなら……(こう言えば諦めるよな?)お、俺のパンツならいいぜ?」 「えっ!?ぱ、パンツ!?……好きになっていいの!?」 「な、なんだって!?って、うわっ、か、顔を近づけるなっ!」 「良い……匂い……あ~ヤバイ。なんか好きになったかも……」 「まて、匂いを嗅ぐなっ!(鎮まれっ!俺のリヴァイアサンッ!)」 「あっ……匂いが強くなってきた……もっと好きになっちゃった///」 「(だ、誰かたすけてっ)」 「ずっとこうしていたいね」 「(何かっ、何か別の事を考えるんだ)」 「一緒にいるとなんか落ち着くな♪」 「(とにかく、視線を逸らすんだ、視線を……って、そのうなじは反則だろっ!?)」 「どこをジロジロみてるの? あ……も~う、エッチなんだからぁ~/// 少しだけなら見せてあげるよ? ……ほら」 「も、もう、解放してください……」 「あー、もう、しょうがないな……。ほら、好きにしていいよ」 「た、助かった……つか、お、俺が興奮しちまったらどうすんだよ!?」 「大丈夫、あたしがいるじゃん。……ってダメかな……///」 「……(お、俺の妹が、こんなに可愛いがないっ!)」 え?期待してたものと違う? -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/89.html
794 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 20 46 04 ID VK73UqvW0 [1/5] 「ほんとに大丈夫なんでしょうね?」 「お、おう。任せろ」 今日はクリスマス。俺と桐乃の二人で夜の渋谷に繰り出している。 俺が先日桐乃のノーパソを壊してしまい、責任取ってどっかに連れてけ、という流れになってしまったのだ。 別にクリスマスを狙ったわけじゃないんだが、桐乃に予定を訊くと今日しか空いていないという。 ならしゃあないわな。 親父達も夫婦で出掛けているし、却って好都合だろう。 「今日のためにちゃーんと調べてきたんだ。お前に絶対合格だと言わせてやる」 「ふーん? ま、期待はしてないけどね」 俺を小馬鹿にするようにニヤニヤ笑いを浮かべている桐乃。 くそう、今に見てろよ。 「まずはここだ!」 「イタリアンレストランか。あんたにしちゃまぁまぁかな?」 「ふふん、そうだろうそうだろう。」 俺だってやる時はやるんだぜ? どうだ見たか。 「……『渋谷デート』でググったら出てくるお店だよね、ここ」 そうだよチクショウ! どうせその程度だよ俺は! あぁ……また馬鹿にされるのか俺。一発目からこれでは―― 「どしたの? 早く入ろ」 「お? おう」 笑顔で俺を促す桐乃。 特に怒ったり呆れたりって様子でもないな。 その後もグーグル先生オススメのデートスポットを回ったんだが、桐乃は終始笑顔だった。 どんなダメ出しを喰らうかとビクビクしていたんだが……。 楽しんでくれてる、のか? 最後に訪れたのは夜景スポットだ。まぁ定番である。 「へー、結構良いトコじゃん」 そう言って、自然と腕を絡めてくる。 「ど、どうした急に」 「ほら、周り見て」 周囲を見回すとカップルだらけだ。当然ではあるが。 「腕ぐらい組んでないと却って目立つでしょ?」 「まぁ、そうだな」 平静を装っていたが、俺は急に落ち着かなくなっていた。 なんだよ、これじゃまるでカップルでデートしてるみたいじゃねえか。 いや確かに今日回ったのはデートコースなんだが。 795 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 20 47 45 ID VK73UqvW0 [2/5] 「きょ、今日はどうだった?」 誤魔化すように声をかける。 「そだね。あんたにしては良かったよ。ちゃんと調べて考えてくれてたみたいだし」 「ま、まぁな」 「……嬉しかった」 な、なんだよ急にしおらしくなって……。 桐乃は俺の腕に頭をくっつけるようにして俯いていて、表情までは見えない。 「だから、99点かな」 「残りの1点は?」 「……アレ」 桐乃が指さした先を見ると、カップルがちょうど口づけを交わしているところだった。 「お、おま、あれはだって……」 「なによ、出来ないの?」 そう言いながら、俺の首に手を回してくる。 夜景の明かりのせいだろうか、桐乃の顔は真っ赤だ。 「100点じゃないと、不合格だから」 「……そりゃ困るな」 「でしょ? だから……」 目を潤ませて俺を見上げてくる桐乃。 さっきから俺の心臓はバクバクだ。 「……わかった」 周りの雰囲気にあてられたのか、今日の俺はどうかしているかもしれない。 桐乃の腰に手をやって抱き寄せる。 そしてそのまま……ゆっくりと唇を重ねた。 「んっ…………」 ほんの触れるようなキス。 時間にして数秒程度のはずだが、数分にも感じられた。 そっと唇を離すと、上気した顔の桐乃と視線が絡み合う。 気恥ずかしさから、つい目をそらして―― お袋と目が合った。 796 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/25(土) 20 48 33 ID VK73UqvW0 [3/5] 「…………は?」 「あ、あんたたち何して……」 横を見ると親父も一緒だ。 ってさっきのカップルは親父達かよ!? 暗くて気付かなかったよ! 「……京介、桐乃、ここで何をしている?」 「ちょっと! あんたたち、今……キスしてなかった!?」 ヤベエ! なんだこの超展開は! あまりにも想定外すぎるだろ! お、落ち着け……ここは薄暗い。よく見えていなかった可能性もある。上手く誤魔化せば……。 ふと桐乃を見やると、『任せて』といったニュアンスの頷きを返してくる。 よし名案があるんだな? お前に命を預けるぜ。 桐乃はおもむろに口を開き……。 「うん、してたよ」 ちょっと待てえええええ!? なんで!? なんでカミングアウトしちゃうの!? 親父達はまさかの返答に絶句している。 そりゃそうだよ。俺も絶句だよ。 「ところでお父さん」 「……な、なんだ?」 これ以上何を言おうというんだ……。さすがの親父も動揺気味だ。 「さっきのお父さん達のキス、すっごい熱々だったよね。びっくりしちゃった」 「な、ば、ななな、な、何を……!」 おおすげえ。親父が押されている。初めて見るかもしれん。 「行こっ!」 親父達が怯んだ隙をついて、俺の腕を取って走り出す桐乃。 ああもう分かったよ! 付き合ってやる! 「ま、待ちなさい二人とも!」 慌てたようなお袋の声が聞こえる。こりゃ後で酷いな。 ……ま、でもいっか。 なんだか嬉しそうな桐乃の顔を見てると、悪くないって思えてくる。 走りながら一瞬だけ桐乃が振り返り、満面の笑みで親父達に呼びかける。 「メリー・クリスマス!」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1322.html
909 名前:ローカルルール追記議論中@自治スレ[sage] 投稿日:2011/12/11(日) 11 12 02.68 ID bt11xx9k0 [2/5] 12月24日、高校生活最後のクリスマスイブ。 恋人たちが愛をささやき合う聖夜に俺は……一人で机に向かっていた。 運命の受験日は、来月に迫っている。 試験自体には余裕があったが、さすがに遊び呆けているわけにはいかなかった。 親父とお袋は出かけちまって、家には俺と桐乃しかいない。 俺は一日中机に向かいっ放しだし、桐乃も何故か外出せずにいそいそと部屋に篭っている。 なんとも味気のないクリスマスイブ。 でもまぁ、これはこれでいい。 クリスマスは何回でもやってくるが、この時間は二度と帰ってこない。 ここで手を抜けば、あいつらや、桐乃に顔向けできなくなる。 そんな強い信念が、今の俺を突き動かしていた。 部屋のドアがノックされたのは、しばらく経ってからのこと。 「……あたし。入るよ」 手を止めて振り返ると、カップを持った桐乃が部屋に入ってきた。 「何か用か?」 「ん……ココア淹れてきた」 え? 状況を整理するまで、少し時間がかかった。 桐乃がココアを……俺に? 唖然としている俺を見て、桐乃はニヤニヤと笑みを浮かべている。 「なーにぃ?あんた、妹にココア淹れてもらって、そんなに嬉しいワケぇ?」 い、いや、確かにそれは否定しないけれども…… ……なんでココアが泡立ってんだ? 「へへへ……あんたに力が付くように色々入れてきてあげたから、感謝しなさいよね」 ちょ……一体何を入れたらそうなるんだよ! 見るからに体に悪そうだよそれ!漂ってくる匂いもなんか変だし! ……と、そこで俺は、桐乃の様子がどこかぎこちないのに気づく。 「ん?お前、後ろで何隠してんだ?」 「え!?あっ、こ、これは…………きゃっ」 俺の指摘に慌てた桐乃は……床のバッグにつっかかって盛大にコケた。 「お、おい!大丈夫か!?」 「あっ……ご、ごめん!ヤケドしなかった!?」 「俺は大丈夫だよ」 「で、でも服が……」 桐乃のココアを一身に浴びて、俺の服はグショグショになっていた。 「これくらい洗えば落ちるさ。それに、あんな所にバッグ置いてた俺も悪いんだ」 「うっ……」 桐乃は小さく呻き、そのまま俯いてしまう。 俺は努めて明るい声を出した。 「ちょうどいいから風呂入ってくるわ。もういいから気にすんな」 「あ……」 何かを言いかけて、桐乃は口をつぐんだ。 それから目を伏せて、小さな声をしぼり出す。 「……本当にごめんなさい」 俺は桐乃の頭をくしゃくしゃと撫でて、部屋を出て行った。 「ふぅ……」 熱い湯に肩まで浸かって、俺は大きく息を吐いた。 ……お気に入りの服だったんだがなぁ。 あんな顔されたら、怒るに怒れないじゃねぇか。 俺はそのまま鼻まで潜り、ぶくぶくと泡を立てる。 それにしても……桐乃があんなに素直に謝るとは。 普段は威勢を張っているだけに、あんな表情を見るのはかなり新鮮だった。 ……あいつも変わったもんだ。 浴槽に身をゆだねると、自然と笑みがこぼれてきた。 そういえば去年の今頃は、桐乃と渋谷に行ってたっけ。 二人でアクセサリ買いに行ったり、服見に行ったり、ライブに行ったり…… ……兄妹で行ってはいけない所にも行った気がしたが、それはまぁ、いいだろう。 ゆったりと湯に浸かりながら、1年前の思い出をたどっていく。 ……こういうクリスマスも悪くないかもしれない。 風呂から上がって脱衣所に行くと、着替えが用意してあった。 この間買ったばかりのパジャマが、きれいに折りたたまれてカゴに入っている。 ……あいつが用意してくれたのか。 俺はバスタオルで体を拭き、衣類に袖を通していく。 最後に上着をカゴから取り出すと、その下に見慣れないものが置いてあった。 色鮮やかな包装紙に、真っ赤なリボンが飾られている。 「これってまさか……」 サンタクロースを信じていた子供のころ。 枕元にプレゼントが置いてあったときの、あの高揚感が蘇ってくる。 思わず手に取ると、包装紙の隙間から小さなカードがひらひらと落ちた。 『メリークリスマス! 可愛い妹より』 あいつ…… 俺は胸の鼓動を抑えながら、丁寧に包装紙をはがしていく。 出てきたのは毛糸のマフラーだった。 でかでかと刺繍された文字を見て、俺は思わず噴き出してしまう。 『がんばれシスコン』 桐乃のやつ……どこでこんなマフラー見つけてきたんだよ。 こそばゆい気持ちになりながらも、さっそくマフラーを首に巻きつけてみる。 「あったけぇ」 巻きつけたマフラーからは、桐乃の匂いがした。 口に当てて息を吸い込むと、まるで桐乃に抱きしめられているような気分になる。 『あたしは、あんたの味方だから』 ……ありがとよ、桐乃。 暖かい気持ちに包まれながら、そのまま脱衣所から廊下に出る。 冷え冷えとした廊下も、この時はなんとも思わなかった。 ……試験会場には、このマフラーをしていこう。 ささやかな決意を胸に秘めながら、俺は階段をあがっていった。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/969.html
720 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/07/26(火) 21 42 22.08 ID H7PB351W0 [11/11] なんかパッと思い浮かんだ。 反省はしてる。 扇風機 ブゥゥゥーーン 京介「あ”~」 桐乃「・・・・・・」 京介「あ”~」 桐乃「・・・・・・」 京介「あ”~ ・・・・・・ なぁ桐乃、俺の後ろにいるとほとんど風が来ないだろ? 扇風機回すか?」 桐乃「いい。 扇風機の風に直接当たると身体に悪いから、あんたが前にいた方が良いの」 京介「そうか」 桐乃「そうなの。 だから気にしないで」 京介「・・・・・・ あ”~」 桐乃(ここにいたらちょっと汗をかいて強くなった兄貴の匂いが嗅げるんだから、 このポジションを変えるなんてありえないし。 もう何年も続けてるけど・・・ やっぱり夏はいいわね) -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1725.html
910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/06/14(金) 23 00 23.08 ID 1VWgSL2iP 『最高の嫌がらせ』 桐,あ,加 「ねえ、あやせ」 冬休みが終わったその日の帰り道。 あれ以来、一度も話していなかった桐乃と、一緒に帰る事になりました。 「あたしさ、あやせに報告しないといけない事がある」 「うん。わかってる」 たぶん、全部。 「あのさ・・・あやせにも加奈子にも本当に悪いと思ってるし、 でも、あたし自身の気持ちも裏切れないし、あやせには本当のことを伝える義務があると思ってる」 「・・・・・・・・・」 「あたし、京介と、付き合う事になりました」 やっぱり・・・ 悲しいわけじゃありません。 親友が、最愛の人に思いを伝えられた、その事を祝福してあげないといけないのに・・・ 「ごめん。あやせ」 わたしの気持ちは、波のようにうねって、何も答えられません。 『おめでとう』って、『わたしも応援してるよ』って ちゃんと言わなくちゃいけないのに・・・ 「あやせってば、しょーがねーなぁ」 突然後ろから聞こえてきたのは、わたしのもう一人の親友。加奈子の声。 でも、今は振り向けません。 こんな顔、桐乃にだって見せたくなかったのに・・・ 「なあ、桐乃ぉ?」 「加奈子・・・」 「アタシにも、報告。まだだよな」 「うん。そうだね」 やめてよ、加奈子。 加奈子だってわかってるでしょ? 今のわたしの様子を見れば、『それ』がどういうものかって。 「加奈子」 「おう」 加奈子・・・なんで・・・ 「あたし、京介と付き合う事になりました」 「よし、おっけ」 あくまでも冷静な加奈子の声に、わたしは自分の未熟さを思い知らされます。 加奈子だってお兄さんの事、大好きだったはずです。 きっと、わたしや黒猫さんに負けないくらい。 それなのに、ちゃんと真正面から受け止めて・・・ ちゃんと認めてあげて・・・ 「てゆーかぁ?」 さっきまで冷静だったはずの加奈子の声が、急におちゃらけた感じに変わります。 「おめーらマジキモすぎwww兄妹で恋愛とかwww」 「か、加奈子!?」 「いや、だってよ?まるで『きょーすけ』の持ってるエロゲみたいじゃん? 『押しかけ妹妻』とかぁ、『妹と恋しよっ』とかぁ? ぶっちゃけ、マジきもいってwww」 「うん。わかってる」 加奈子を知らない人から見れば、酷い事言ってるように見えるかもしれません。 でも、この子は、優しいんです。 「こんなキモい奴、幸せに出来るのは京介だけだもんな?しかたねーべ?桐乃に譲ってやるよ」 ちょっと、言葉は悪いですけど・・・ 「なあ、あやせからも何か言ってやれよ」 加奈子が先陣をきってくれたおかげで、わたしも少し・・・ ほんの少しだけど、自分の気持ちを整理出来たかもしれません。 「桐乃・・・」 「うん」 「わたし・・・わたしね。今でもお兄さんの事が『大嫌い』」 「うん」 「でも、お兄さんが幸せじゃないと・・・桐乃が幸せじゃないと、やっぱりイヤなの」 「・・・・・・・・・」 「だから、わたしも・・・お兄さんが桐乃を幸せにしないなら絶対に許さない。 桐乃が、お兄さんのせいで不幸な目にあったら、絶対にブチ殺してあげるから」 「・・・うん!」 そんなこと、あるわけないもんね。 「っしゃ。それじゃーこれで満足だよな?あやせも、桐乃もぉ」 『話はこれで終わり』とばかりに、加奈子が声を張り上げます。 いつもいつも、わたしと桐乃と一緒に居てくれた、本当に大切な大切な友達。 「加奈子。ありがと」 「うん、ありがとう。加奈子」 「ま、マジでお礼なんかすんなよぉ・・・恥ずかしいじゃん」 あの日以来、止まってしまっていた私たちの歯車も、 今、ようやく動き始めた気がします。 「それにしてもよぉ~?」 せっかくのいい感じが、なんか嫌な予感。 加奈子がニヤニヤしながら桐乃に近づいていきます。 「桐乃ってばぁ・・・もうヤっちゃったワケぇwww?」 「なっ・・・!?」 硬直する桐乃。 ですけど当たり前です。 加奈子ってば、いきなりデリカシーの無い事聞くんですから。 「だってぇ、クリスマスイブにぃ告白されてぇ、一緒にホテルにぃ」 聞き捨てなりませんね。 「まっ、まだだしっ!」 こっちの発言も聞き捨てなりません。 「えwww?『まだ』www?嘘ばっかぁwwwエロ桐乃ぉwww」 「ち、ちがうしっ!あたしまだお布団デートまでしかしたことないしっ! っていうか、エッチなのは京介でおっぱいとかお尻とか触ってくるだけだしっ! それにまだ子供とか作れないしっ!」 「お、お布団でーとぉ?もうヤっちゃってるんじゃん!」 「だ、だからっ!お布団の中でつんつんしあったり、兄ぱん盗んだり、 くんかくんかするだけでっ!京介が抱いてくれるけどっ!」 「き、桐乃?お兄さんが抱くってどういう事ですか?」 「てゆーか何w兄ぱんwww?」 「うううぅぅぅーーー・・・きょ、京介にじゅーでんしてもらうんだからっ!!!」 そう言い残すと、桐乃はわたしたちを振り返りもせず、逃げていってしまいました。 意地悪だったかもしれませんけど・・・ちょっとだけ、いい気味です。 だって、桐乃、今、最高に幸せでしょうから、 わたしたちだって嫉妬する権利くらいありますよね? きっと、加奈子も同じ気分です。 それに、わたしたちなりに、仲直りできましたから。 「なあ、あやせぇ」 「なに?加奈子」 先ほどとは違って、神妙な顔の加奈子。 たぶん、『あの事』を言いたいんでしょう。 わたしは黒猫さんから聞いた、『あの事』を。 「京介ってばよぉ、桐乃との恋人関係は、卒業まで、だってよぉ」 「うん。知ってる」 やっぱり。 「まあ、無理だよなぁ?」 「無理だね」 考えるまでも無い事です。 もう、桐乃とお兄さんは引き離せないのです。 永久に。 あまりにも理不尽に幸せすぎて、嫉妬の炎で焼き尽くされそうです。 「だからよぉ、きょーすけが言い出して、あのデカ眼鏡と電波女にも頼まれてんだけどさ? ・・・桐乃のやつときょーすけを、結婚させてやろうって思うんだけどぉ」 「・・・いいね。とっても」 そうです。加奈子にしては上出来です。 わたしも加奈子も、黒猫さんも沙織さんも、きっと――― 桐乃とお兄さんが恋人同士なんて耐えられないんです。 だから、わたしたちの嫉妬も込めて・・・『人生の墓場』に連れて行ってあげましょう。 きっと、わたしたちなりの最高の嫌がらせになるはずです。 だって、桐乃もお兄さんも、たった3ヶ月しか恋人で居られないんですから! End. オリジナルサイズ
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1377.html
864 名前:【SS】鬼きりりんと豆まき[sage] 投稿日:2012/02/03(金) 20 10 41.35 ID DSltEM2t0 [6/7] 京介「今日は親父が帰ってこれないらしいし、俺が節分の鬼役か……」 桐乃「あたしが鬼役でもいいよ」 京介「え? おまえが鬼役? いいのか?」 桐乃「うん。 受験生のあんたを鬼にして、豆をぶつけて追い出すのもアレだしね」 京介「おまえも受験生だろうが」 桐乃「あたしは全然大丈夫だから。 あんたも知ってるでしょ?」 京介「それもそうか。 それじゃあ、お言葉に甘えて。 鬼は―」 桐乃「ところで、あんたは鬼のあたしに豆をぶつけて追い出すの?」 京介「え?」 桐乃「…………」ジー 京介「えっと……」 桐乃「…………」ジー 京介「……鬼は~うち」パラパラ 桐乃「それでよし!」 868 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/03(金) 21 01 44.23 ID DSltEM2t0 [7/7] 京介「さて、豆まきも終わったし、まいた豆を回収しておかないとな」 桐乃「変な所に行って、大掃除の時に見つかるとかイヤだもんね」 京介「確かベッドの下の方にも転がっていってたような……」 ひょい あやせ「……えへへ」パク モグモグ ひょい 京介「なあ、桐乃。 天使にも豆って効くと思うか?」 -------------